田川誠 作品展「ハンセン」の最終日を迎えました。
これまでにご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
本日は、開場の午前9時から最後の午後6時まで、会場に在廊いたします。
作品の解説もさせていただきますので、ぜひ足をお運びいただければと思います。
こちらで紹介しきれなかった作品も多数ございますが、ここで、展覧会の核となる作品を紹介させていただきます。
「ハンセン」
この作品は、昨年10月に表参道ヒルズで行われた東京コレクション(tenbo2017春夏コレクション)のキービジュアルとなりました。
↓東京コレクション動画↓
皆さまは、映画「もののけ姫」でハンセン病患者が描かれていることをご存知でしょうか。
映画の中で、世間では人として扱われない彼らが、たたら場で懸命に生きている姿が映し出されます。
そして、ハンセン病を患った慟哭の歌人・明石海人の『白描』の序文は、この一節で始まります。
「癩は天刑である」
かつて、ハンセン病は癩(らい)病と呼ばれ、重症患者の外見から、過去や前世の罪によって受ける「天刑・業病」として忌み嫌われていました。
この病は、皮膚や神経が冒される慢性の感染症です。
しかし、感染力は非常に弱く、感染したとしても投薬等の治療で完全に治すことができるのです。
現在も、無知から生まれる差別や偏見が残っており、社会復帰できない回復者がいらっしゃるのが事実です。
今回の展覧会は、ハンセン病を理解していただく機会になればと、開催させていただきました。
しかし、暗い過去にとらわれるのではなく、当時の患者の方々、現在の回復者の方々の希望や明るさを描くことを大切にしています。
ここで紹介している「ハンセン」も、よく見ると、まつ毛が描かれています。
ハンセン病の症状の一つとして、眉毛やまつ毛が生えないのですが、「目に見えない大切なものを描く」思いで、まつ毛を描かせていただきました。
歌人・明石海人の『白描』の序文は、このように締めくくられています。
「癩はまた天啓でもあった」
この展覧会が、ご覧になる皆さまにとって、過去のいのちに感謝し、現在(いま)に生きる意味を知り、希望ある未来に踏み出すきっかけとなりますことを念願いたします。
多くの方のご来場を、お待ちしております。
よろしくお願いいたします。
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田川誠 作品展「ハンセン」
静岡県沼津市在住の美術家・田川誠が、初めて沼津市で展覧会を開催いたします。
ファッションブランドtenboが東京コレクション(2017春夏)において発表した衣装のデザインに使用された絵画作品、ハンセン病療養所の多磨全生園、駿河療養所、神山復生病院を訪れ制作した絵画作品の複製画パネルを展示いたします。
日時:2017年6月11日(日)~2017年6月18日(日)
9:00~21:00
※初日は12時から、最終日は18時まで
会場:千本プラザ 1階ギャラリー
静岡県沼津市本字千本1910-206
http://senbon-plaza.sakura.ne.jp
※駐車券の受付提示で2時間無料
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